コロナ禍の2021年夏、古き良き時代の趣を残す三階建ての木造建築と出会いました。贅沢な木材の使い方、随所に施された精緻な意匠。空き家となっていたその邸宅は、私の心を強く惹きつけ、「この場所を再び息吹のある空間にしたい」という衝動に駆り立てられました。具体的な用途も定まらないまま、私はその邸宅を貸りることを決断しました。
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当時、私は建築家として設計活動を行う傍ら、宿泊業も営んでおり、ふぐの本場である下関を訪れるお客様から、おすすめのふぐ料理店を尋ねられることが度々ありました。邸宅の活用法を模索していたある日、お客様からの質問をきっかけに、私はふと思いついたのです。「自信を持っておすすめできるふぐ料理店を、自分の手で創り出すべきではないか」と。
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この思いつきは大学時代のアルバイト経験に根ざしています。建築を学んでいた私は、レストランウェディングのサービススタッフとして、お客様の笑顔や感謝の言葉に触れ、飲食店の空間が持つ素晴らしさに感動を覚えていました。その時の想いがここに繋がりました。
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様々な想いを胸に、私はこの店を創り上げました。この場所で、多くの方々に至福のひとときを過ごしていただけることを願っています。
株式会社トルビ 代表取締役 沖野充和